時にはマイナス30度を下回る環境でのオーロラ撮影では、自分の服装だけでなく撮影機材のケアも必要となります。冬季のオーロラ撮影は寒さとの戦いと言っても過言ではありません。機材を守るためにも、カメラの防寒対策についてしっかりと備える必要があります。
バッテリーの消耗
電力の消費は想像以上に激しい
寒さの厳しい冬季のオーロラ撮影では、バッテリーの消耗が非常に激しくなります。マイナス10度ほどならまだしも、マイナス30度以下になると顕著に消耗スピードが速くなるため、バッテリーの寿命をなるべく長持ちさせるためには、極力バッテリーを冷やさないことが大切です。
オーロラの兆候を待っている間など、しばらく撮影を中断する時でも面倒くさがらずに小まめにバッテリーを抜き取り、暖かいポケット内で温めておくと良いでしょう。ただし、30分以上もカメラと三脚を放置しておく場合は、機材が非常に冷え込んでしまうため、バッテリーを再度入れたときに極端なバッテリーの消耗を招くので注意が必要です。そのような場合は、カメラ自体を毛布などで覆いかぶせるか、屋内などの暖かい場所に機材を戻すのが良いでしょう。
どんなに頑張ってもバッテリーの保護には限界があるため、予備バッテリーを用意することを忘れてはなりません。オーロラ爆発は寒さに関係なく起きる時は起きるものです。夢中でオーロラを撮影していたため、気づいたら大事な場面でバッテリー切れとならないように、予備バッテリーは2個以上備えておくことが理想的です。
しばらく野外で使用しない時は、バッテリーを取り外して暖かい場所で保護をする。
バッテリーの予備は必須。できれば予備バッテリーが2個以上あると良い。
ボディーの保護
市販のプロテクターの利用
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効果はあるが操作性が犠牲になる
市販のカメラカバーは保温性が高く、かなり効果も期待できます。バッテリーの持ちも良く、ボディー表面に霜も付きにくくなることでしょう。しかし、操作性が落ちることは覚悟しなくてはなりません。フルカバーのタイプはレンズを交換する場合やカメラ本体の各種設定を変更する時に、毎回カバーを外す必要があります。オーロラ撮影ではモニターで撮影した写真の仕上がりを随時確認する必要があるため、その都度カバーを外さなくてはいけないというのは、あまりにも現実的ではありません。フルカバータイプは長時間カメラを放置するインターバル撮影などで使うものと考えた方が良いでしょう。モニター部分のみが透明になっているタイプがあれば、それも良いかもしれません。
自作のカバーを利用
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カメラに合わせて作るのがベスト
自作の方法は人それぞれですが、フリースのネックウォーマーをボディー全体にかぶせるのはお手軽な方法です。しばらく使わない時は頭からネックオーマーを被せておきますが、裏面のモニター部分は空いているので、設定や確認作業にも便利です。レンズ部分を丸く切り取り、常時装着できるように自作するのもアイデアの一つです。
ホッカイロで温める人もいますが、マイナス20度以下になると実際はほとんど効果が得られません。また、バッテリー部分だけを暖かい布のようなものでカバーする方法も、気休め程度にしかならないでしょう。
バッテリー部分のみの保護は、あまり効果を期待できない。
フリースを使用した自作のカバー。レンズ部分のみが顔を出し、紐で締め付けるように工夫をしている。
裏面は操作性を重視してなるべくモニターやボタン類に手が届くようにしている。三脚との接合部分も空くように作る必要がある。
撮影後のケア
結露対策はしっかりと行う
寒い環境で使用していた冷え切ったカメラを、そのまま何もせずに暖かい屋内に持ち込んだ場合、ボディ-表面が結露して機材のダメージにも繋がります。たとえ防塵防滴の機材を使用していたとしても、レンズやファインダー表面が曇るために、しばらく使用することが出来なくなります。この状況を避けるための一つの方法は、ジップロックなどを使用して徐々に屋内の気温に慣れさせていくことです。暖かい屋内に戻る前にカメラをジップロックに丸ごと入れて密封し、その後に部屋の中へと持ち込みます。ジップロックの中には防湿剤やタオルを一緒に入れるとより効果がありますが、無くても特に問題はありません。外気と屋内の気温差が大きいほど結露も酷くなるため、あまりにもカメラが濡れている場合は、撮影した写真の確認も我慢してしばらく電源を入れるのを控えた方が良いでしょう。ほとんどの場合、15分程度でカメラは乾いてくるはずです。乾く前に再度、極寒の野外に出る場合は、濡れた部分が凍結して故障の原因となるので特に注意が必要です。
レンズが曇ってしまったら乾くまで使用を我慢するしかない。
屋内に戻る前にカメラをジップロックに丸ごと入れ、しばらく放置するだけで結露の状況はかなり緩和できる。
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オーロラと一緒に記念撮影このページに記載されたすべての情報(テキスト、画像、イラストを含む)を無断で転用、コピー等をすることは禁止されています。掲載情報の使用をご希望の場合は、コンタクトページよりヤムナスカ・マウンテン・ツアーズまでご相談ください。