カナダや北欧など、地球の極地に位置するオーロラベルトの地域において、安全で快適にオーロラ鑑賞をするためには、各国で行われているツアーに参加するのが一般的な方法です。オーロラは1日の中で、いつ、どのように現れるかを予測することは難しいため、遭遇する”確率”が少しでも高いツアーのスタイルを選ぶことが大切となります。
オーロラツアーの種類
日本発着パッケージツアーと現地会社主催ツアー
カナダ、アラスカ、北欧など、今や世界の様々なエリアで行われているオーロラツアーの形は非常にバラエティーに富んでいます。各エリアの特徴は『オーロラの見える場所』で解説しましたが、各国で行われているオーロラツアーの種類は大きく分けると2種類あり、それぞれに違った魅力があります。
最も一般的な方法は、日本の旅行会社が販売しているパッケージツアーに参加することです。日本発着の飛行機や各宿泊手配、車両、ガイドなど、すべてがパッケージになっているため、お手軽で安心感があります。また、ツアーのバリエーションが多いため、目的地や好みで比較できるのもメリットの一つです。しかし、至れり尽くせりな分、値段は多少高めになることは仕方がありません。大人数のグループツアーの場合は価格帯も安めのものがありますが、この場合は団体行動になることを覚悟しなくてはなりません。選ぶなら少人数制のツアーが良いでしょう。
一方、もう一つの方法は、それぞれの国にある現地会社主催のオーロラツアーに直接申し込むことです。日本からの飛行機は自分で手配しなくてはなりませんが、その分、低予算で行えるのは魅力的です。日本人経営の会社であれば問い合わせも簡単であり、現地についてからの滞在期間をフルサポートしてくれる会社もあります。現地まで自分で行く自信がある人で、旅の目的地が決まっている場合や、旅のプランを自分で考えたい人は、こちらの方が断然オススメです。
自分で飛行機の手配や旅行計画を立てることができるならば、現地会社主催ツアーの利用がオススメ。
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レンタカーでオーロラ鑑賞は現実的か?
個人でレンタカーを借りて自由気ままにオーロラ・ハンティングをするのは、ある意味究極のオーロラ鑑賞方法と言えます。しかし、オーロラベルトの極地地方の旅はそれほど易しいものではありません。慣れない海外の土地での車の運転には知識や経験が必要となることはもちろんですが、時にはマイナス20度を下回るような極寒の日に車のトラブルに見舞われれば、命の問題にも関わってきます。また、オーロラを待つ間、ずっと車内に篭っているというのも現実的ではありません。極北のオーロラが見えるエリアでは携帯電話も繋がらないことが多いため、衛星電話などの緊急手段も準備する必要があります。
個人でレンタカーを借りて行うオーロラ鑑賞は非常にリスクの高い方法であり、土地や環境を知り尽くしているだけでなく、それ相当の装備や準備のできる人に限られる方法と言えるでしょう。
極地では町から20分ほど離れただけで携帯電話が通じなくなることが多い。
鑑賞のスタイル
オーロラツアーは鑑賞のスタイルで比較すること
日本発着のパッケージツアーと現地会社主催ツアーのどちらであろうとも、一番大切なことはオーロラ鑑賞のスタイルに注意してツアーを選ぶことです。今までのオーロラツアーの多くは、都市部のホテルから夜な夜な鑑賞地へ出かけていくタイプでしたが、最近は町の郊外のロッジに滞在して、いつでもオーロラ鑑賞ができるスタイルが主流になりつつあります。ホテル滞在型にもメリットはありますが、オーロラの出現は気まぐれであることを考えるならば、やはりロッジ滞在型の方がオススメです。しかし、ロッジ滞在型ツアーはどの国でも行われている訳ではありません。まずは、それぞれのスタイルのメリット、デメリットを考えてみましょう。
市内のホテル滞在型
最も歴史のある手軽なツアースタイルで、ツアー代金の安さも魅力
世界のオーロラツアーの主流と言える鑑賞スタイルです。都市部のホテルに滞在して、深夜、街の明かりの少ない場所に用意された鑑賞地に出かけて、オーロラ鑑賞を楽しみます。鑑賞地では3時間から4時間ほどの時間を過ごすことが多く、決められた時刻になると専用の車両でホテルに戻ります。それぞれの鑑賞地は快適で暖がとれる環境が用意されており、軽食やスープなどの夜食も含まれていることが多いです。鑑賞地では現地のオーロラガイドが詳しく案内してくれるため、オーロラを待っている間などの時間は、専門のオーロラ解説などを聞くこともできるでしょう。都市部に滞在するため、日中は買い物に出かけたり食事をしたりと個人で自由に動きやすいという利点が挙げられます。
ツアーの料金設定が比較的に安いのも魅力の一つですが、これは少人数ツアーではなく数十名のグループツアーとなる場合もあるのがその理由です。そのため、プライベートでゆっくり見たい方にはあまりオススメできません。そして、一番のデメリットは鑑賞時間が決められていることです。鑑賞時間内に運良くオーロラに遭遇できれば良いのですが、実際はそう都合良くもいかず、定時ギリギリにやっとオーロラの兆候が見え始めることも珍しくはありません。もう1時間だけでも粘ることができればオーロラが見えたとなると、悔やんでも悔やみきれません。市内ホテル滞在型は手軽に参加できるスタイルですが、あくまでもオーロラ遭遇をメインに考えるならば、次のロッジ滞在型に軍配が上がります。
専用のオーロラ鑑賞地に訪れるツアースタイルが多い。
都市部に宿泊するので、個人でも動きやすいのはメリットの一つ。
郊外のロッジ滞在型
最近の主流であり、オーロラ鑑賞のベストな形
町の郊外にあり、オーロラ鑑賞がいつでも可能なロッジに滞在するスタイルが最近の主流になりつつあります。オーロラはその地域により比較的に出現しやすい時間帯というものはあるものの、実際のところは日が沈んだ直後に出ることもあれば、明け方に突然、巨大なカーテンが出現するということも珍しくありません。結論的には、オーロラは暗い時間であれば、いつでも出現する可能性のある現象です。そのため、いつでも、好きな時に、好きなだけ、その場でオーロラ鑑賞が可能な郊外のロッジ滞在型は、圧倒的にメリットのあるスタイルであり、いつ出るか分からない気まぐれなオーロラを見るためのベストな方法と言うことは断言できます。
しかし、何事も良いこと尽くしと言う訳にもいかず、デメリットも考える必要はあります。人口数万人規模の小さな都市であっても、街の明かりというものは非常に目に付くものであり、街から30分以上は離れないと素晴らしい星空に出会うのは難しくなります。そのため、郊外のロッジはやや不便な位置に建っていることが多く、食事や買い物などに出かけるにはタクシーやロッジの送迎サービスを利用するしかありません。どうしても日中の行動に制限があること考えると、ロッジでの滞在自体に魅力のある「素敵なロッジ」を選ぶことが大切です。周囲が自然に包まれたロケーション、美味しい食事、小規模経営のアットホームな雰囲気のあるロッジが良いでしょう。
滞在中はいつでも見ることが可能とは言え、一晩中、一睡もせずに外で待機する訳にもいきません。オーロラの兆候を見逃さないためにも、ロッジ滞在ツアーを考える際は各ロッジでのオーロラ鑑賞方法などの日本人によるオーロラガイド・サービスが含まれているかどうかも選ぶ基準となります。
とにかく自分のペースで、好きなだけオーロラ鑑賞ができるのがロッジ滞在型の魅力。
ロッジを選ぶ際は、ロケーションだけでなく、雰囲気やサービス内容も大切にしたい。
ヤムナスカ・マウンテン・ツアーズ 本山直人 |
カナダ・ホワイトホースのロッジ滞在
世界中のオーロラ鑑賞地の中でも、私たちがカナダのユーコン準州、ホワイトホースを拠点としたエリアを自信を持ってオススメできる理由は、オーロラ鑑賞に理想的なロッジが充実してるためです。日本ではまだまだ馴染みのないエリアですが、広大な大地にはツンドラの原生林とタイガの植生が広がり、今なお手つかずの原生自然が色濃く残る世界でも数少ないエリアの一つなのです。ユーコン準州は日本の1.4倍ほどの面積がありますが、人口はわずか3万5千人ほどしか住んでおらず、ムースやカリブーなどの大型の野生動物の方が個体数が多いほどです。私たちがご提供するロッジ滞在ツアーはどれも個性的であり、日本人によるガイドサービス付きですのでご安心ください。
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イヌビック・ロッジ
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イン・オンザレイク
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クルアニ・ロッジ
日中のアクティビティー
日中の過ごし方を充実させる
オーロラツアーを選ぶうえで、もう一つ大きなポイントとなるのが日中のアクティビティーです。オーロラが旅の一番の目的であるとはいえ、オーロラは毎日出る保証はありません。一晩中オーロラを待ちながら一睡もせず、日中は寝て過ごすというも寂しいものです。せっかくの海外旅行ですので、その土地ならではのアクティビティーに参加して、旅の思い出の一ページとしましょう。ツアーによっては日中のアクティビティーが含まれているものも多くあります。車で観光施設を巡るのも良いですが、ガイド付きのスノーシュー体験など冬ならではのアクティビティーに挑戦するのも良いでしょう。
オプショナルツアーを選ぶには?
ツアーに日中のアクティビティーが含まれていない場合でも、多くのオーロラ鑑賞地では現地会社主催のオプショナルツアーが行われています。2時間ぐらいの短いものから半日のものまで様々なものがあるため、オーロラ鑑賞に使う時間とのバランスを考えながらアレンジをすると良いでしょう。オプショナルツアーを選ぶ際は、その土地ならではの魅力を考えることがオススメです。カナダやアラスカなどでは本場の犬ぞり体験や、日本では決してできないような大自然体験が人気です。北欧ではヨーロッパらしい観光要素も充実しています。オプショナルツアーでオーロラの旅を充実させましょう。
次は、オーロラ鑑賞時の服装と寒さ対策を考えます。
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