初めてのオーロラ鑑賞でオーロラ爆発を見ることができればラッキーですが、いつも強いオーロラが出てくれるとは限りません。オーロラは自然現象であり、見れるかどうかは「運」次第です。そのため、どの程度オーロラ鑑賞に力を入れるかは一人一人思い入れも異なるはずですが、出来るならばチャンスは最大限に活かせるように臨みたいものです。
事前準備
事前準備は必ず暗くなる前にすること!
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自分用の防寒具セットを作っておく
オーロラ旅行では事前に「最を寒い日」を想定して、自分なりの「防寒具セット」作っておくことがオススメです。鑑賞地では実際に寒さを体験してみないと、どのレベルまで厚着すべきか決めるのは難しいものです。また、夜間にオーロラを待っていると、30分ほどで想像していたよりも身体が冷え込んでしまうこともあります。その日の寒さに合わせて必要になるであろうものをセットから抜き出し、ベッドの上などに広げておくと良いでしょう。夜間、急に『あれが必要!』となった時にも、慌てずに済みます。防寒具セットの準備には『極地での寒さ対策と服装』を参考にしてください。
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機材や小道具の確認を済ませておく
暗くなる前にヘッドランプやカメラなどの小道具もチェックしておきましょう。極寒の環境下では想像以上にバッテリーの消耗スピードは激しくなります。夜寝ている間にカメラのバッテリーを充電する人は多いと思いますが、日中のアクティビティーに使用した場合は、予備バッテリーも含めて夕方の間にもう一度充電し、夜を迎える前にはフル充電されているように備えましょう。
また、ヘッドランプの電池は残量が分からないため、常に1セットは予備電池を持っておくことが大切です。予備電池はスーツケースの中にしまっておくと”いざ”という時に時間がかかるため、常にジャケットのうちポケットなどに保管しておくと良いでしょう。
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レンタル防寒具には自分の目印を付ける
オーロラツアーに参加し、レンタルの防寒具を利用している人向けのテクニックです。ツアーでは参加者の多くも同じようにレンタル防寒具を利用していることでしょう。皆が同じデザイン、メーカーの物を着用するため、自分のものが分からなくなってしまわないように注意が必要です。ブーツ、ジャケット、グローブなど、特に着脱を頻繁に行う物には自分のものであると分かるように目印を付けておきましょう。マスキングテープなどを張って名前を書いておく、または、洗濯バサミ、目立つリボンや紐などを結ぶのも有効です。
オーロラ完全ガイド制作スタッフ 小泉優 |
オーロラが出現する位置と方位を確認する
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オーロラは常に北側に出ると思われがちですが、自分の鑑賞地がオーロラベルトに対してどの位置にあるかによって、オーロラが出始める位置と方位は変わってきます。実際のところ、オーロラの出る方向はその日のオーロラのコンディションによって変わりますが、オーロラ鑑賞地ごとにその一般的な傾向というものが存在します。一晩中、360度を見続けることができれば心配はいりませんが、この作業は想像しているよりもかなり大変です。全く違う方向を見続けていて、大切なオーロラを見逃さないようにしましょう。
私たちはユーコンのオーロラ鑑賞地に精通していますので、ヤムナスカのツアーではご安心ください。各鑑賞地ごとのオーロラ出現の傾向と対策を、しっかりとご案内させて頂きます。
オーロラの兆候
オーロラの兆候を見逃さないようにすること!
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なぜオーロラの兆候を捉えることが大切なのか?
オーロラ鑑賞の初日、外に出て数分後に素晴らしいオーロラに出会えれば、こんなにラッキーなことはありません。しかし、実際のオーロラ鑑賞とはオーロラの出現を待つことに時間を使うことが多いものです。もちろん一晩中寝ずに外に居続ければオーロラを見逃す心配はありませんが、極寒の下では体力的にも現実的ではありません。そのような場合は暖かい環境で待機しながら頻繁に外に出てオーロラの出現をチェックするという作業を繰り返すことになります。また、オーロラは突然、一気にカーテン状に成長することもあるため、なるべく早く兆候を捉えることも大切です。オーロラを見逃さないためにも、なるべく早い段階で兆候を見つけ、その段階から外で待機し続けるというのが最も効率的で有効な鑑賞のテクニックです。
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オーロラの兆候は雲のように出てくることが多い
オーロラの兆候とはいったいどういった物でしょうか。実はまったく経験がないと、オーロラの兆候を捉えることは難しいものです。オーロラの兆候を見たことのない人には、まるで雲の筋のよう見えるかもしれません。また、周囲にある灯りや夕暮れの影響で実際の雲がオーロラの兆候のように見えることもあるため、経験のある人でも判別が難しい場合もあります。【写真A】の真ん中あたりには縦に筋状の緑色の光が見えますが、これがオーロラの兆候の一つの例です。写真の右にある光は遠くの街の灯りが雲に反射してオレンジ色になったもので、オーロラではありません。
【写真A】真ん中に現れているのがオーロラの兆候。
ヤムナスカ・マウンテン・ツアーズ 本山直人 |
カメラによるオーロラチェックのテクニック
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判断が付きにくいオーロラの兆候を捕らえるための非常に優れた方法は、カメラで怪しい方角の夜空を撮影することです。カメラの性能にもよりますが、最低限でもシャッタースピードを長く設定できるカメラが必要ですね。人間の目はその瞬間の光しか見えていません。しかし、カメラはシャッターを開けている時間だけ光を集め続けることが可能なため、人間の目には見えないような弱い光でも何度も重ね合わせることで、目に見える光として表現することができるのです。シャッタースピードは10秒以上、理想的には20秒以上に設定できると肉眼では見ることのできないオーロラの兆候をカメラが捉えてくれるはずです。
私たちヤムナスカのガイドは、全員が一眼レフを所持していますので、もしご自身のカメラで出来ない場合は私たちにお任せください!
夜間の過ごし方
オーロラ鑑賞は一晩をかけること!
頻繁に外に出て兆候がないかを確認する
たとえ今オーロラが見えなくても、満天の星空が見える夜であればいつオーロラが出でても不思議ではありません。忍耐強くオーロラの兆候を探しましょう。オーロラの兆候は部屋の窓から確認したとしても、視野が狭く、周囲の光もあるために見逃しがちです。面倒でも外に出て空全体を確認してみましょう。思いもよらない方向に兆候が現れていることもあります。
暖かい部屋で待機している時は、兆候の確認で外に出るたびに防寒着やブーツを着用するのは面倒かもしれません。防寒対策は重ね着し過ぎず、適切な枚数を効果的に着用するのがポイントです。兆候のチェック時と、本気でオーロラに備える時で重ね着の仕方を変えられるように、衣服のバリエーションを用意しておくのが理想的です。
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本気でオーロラを待つ時は、最強の防寒対策で望む。
屋内から確認しているだけでは、オーロラの兆候を見逃すこともある。
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眠くならないように体力温存する
あくまでもオーロラがメインの旅であるならば、夜間はなるべく起きていられるように、日中の過ごし方を考えることも大切です。寒い環境というのは、ただ立っているだけでもかなり体力を消耗させるものです。日中のアクティビティーに参加する場合は、自分の体力と相談しながら予定を組むと良いでしょう。夜の行動が何日も続くと疲労も溜まるため、日中は少し昼寝できるくらいが望ましいかもしれません。
友人や家族との旅行の場合は、当番を決めて仮眠をとるのも良いでしょう。しかし、ベッドでの仮眠には注意が必要です。仮眠をとる場合は完全に寝巻きに着替えず、なるべく楽な格好でソファーなどで休むのが最良です。起こされたらなるべく早く外に出られるように備えておきましょう。
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天気が悪くても諦めない
『オーロラ予報と天気予報の活用』で詳しく説明しましたが、えてしてオーロラ鑑賞地の天気は変わり易く、また日本に比べて天気予報の精度も低いため、予報はあくまでも予報と考えることが大切です。たとえ雪や雨の降るような日であっても、2時間から3時間後には晴れてくることも珍しくはありません。そのため、天気が悪い日であっても、目覚まし時計をセットするなどして、朝方にもう一度トライすることをオススメします。
『明日は晴れの予報だから、今夜は寝ておこう。』『明後日のオーロラ予報が良いので、今日は軽めにしておこう。』というのは、オーロラを見逃す人に良く見られる傾向です。頑張った人が必ずオーロラに出会えるわけではありません。しかし、諦めずに粘り、最後の最後で最高のオーロラに出会えたという人もたくさんいるのです。自分にあるチャンスを最大限に活かし、素晴らしいオーロラの旅にしましょう。
オーロラ鑑賞時にあると便利なもの
ヘッドランプ
ライトは足元やカメラ操作で手元を照らすのに必須です。スマホのライト機能やペンライトでも良いですが、両手が自由になるヘッドライトが最も重宝します。寒い日はバッテリーの消耗も激しくなるので、予備電池は必ず準備しましょう。
折りたたみ椅子
どんなに素晴らしいオーロラが出ていたとしても、長時間外で立ちっぱなしは疲れます。また、忍耐力が求められるオーロラ鑑賞においては、体力の温存も大切なポイントとなります。スーツケースに余裕があれば持って行きましょう。
夜食
寒い場所にいるだけでカロリーは消費するものです。長期戦に備えて夜食を用意しておきましょう。一番人気は何と言っても日本のカップラーメン。滞在先によっては、旅行用の湯沸かし器も持参すると良いでしょう。
星座アプリ
満点の星空が出ている夜であれば、是非スターウォッチングに挑戦しましょう。GPS搭載の星座アプリなどを使えば、簡単に見ている星座を確認できます。
次からは『オーロラ撮影術』のページです。オーロラの写真を撮る方法を学びましょう。
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